「博多っ子熱狂!今年のどんたくの人出は220万人」
・・・とか、毎年ニュースで流れますけどこの”220万”という数字、みなさんは疑問に思ったことありませんか。
- 「そもそも誰が人出をカウントしているのか」
- 「市内のどこからどこまでが”どんたく”なのか」
- 「通行人と見物客の区別をどう付けているのか」
パレードのメインとなる明治通り沿いは人でごった返すとはいえとても100万人以上いるようには見えませんし、他の演舞台や花自動車の見物客を含めても福岡市民の約4分の3にあたる人が見に来ている感じもしません。
私は県外の人にどんたくがどんな祭りかを聞かれると「市内のど真ん中を封鎖してパレードをする、毎年200万人くらい来る大きな祭りだけど、あれたぶんそこに住んでる人とか通行人も人出にカウントしてる」と説明してきました。つまり”どんたくの人出は盛ってる”と。
本日配信の産経ニュースにこのことを裏付ける興味深い記事がアップされています。
「実は勘が頼り」ですってよ奥さん!
本文を引用しますと
「われわれが広場や演舞台を訪ねて回り『前年より賑わっているからプラス何十万人』とか『ちょっと人が少ないから何万人引こう』-などと目分量で判断しています…」「誰が人出をカウントしているか」については商工会議所の目分量である、と。
どんたくを主催する「福岡市民の祭り振興会」の事務局を兼ねる福岡商工会議所商工振興本部で、人出の算定根拠を尋ねたところ、担当者から驚きの答えが返ってきた。
昨年の人出が210万人(1日目100万人、2日目110万人)だったので、今年の1日目は「前年より少し多い」と判断して10万人増やし、2日目は「まあ昨年並み」と判断して110万人-と勘を頼りに弾き出していたわけだ。
では、算定基準となるベーシックな数字は、いつ、誰が、どのように弾き出したのか。担当者は「いろいろと確認しましたが、記録が残っていないのでわかりません。少なくとも私が担当している3年前からは前年比較ですから4年以上前であることは確かですが…」と口ごもった。
そこで商工会議所や県庁などで関係者の証言をたどっていったところ、40年ほど前に一度来場者数をきちんと算出したことがあることがわかった。
算出を担当した昭和40年代に振興会事務局次長を務めていた岡部定一郎さん(82)は、福岡県太宰府市でご健在だった。
「県警が警備計画を立てるためにはある程度の根拠が必要だと言われたので私が来場者数を計算したんです。実はそれまではまったく当てずっぽうでした」
まずパレードが行われる「明治通り」の歩道(約1400平方メートル)に、1平方メートル当たり6~9人の通行人がいると仮定。これが1日当たりで十数回人が入れ替わるとして積算した。ふむふむ。
同じように演舞台も1日に3回人が入れ替わるとして「客席総数×3」で来場者を算定。こうやって歩道と演舞台の人出を計30万人と弾きだした。
さらに、かつてどんたくの目玉だった装飾した路面電車「花電車」を沿道から見た人を70万~80万人と算定。これに博多駅、博多港、バス、高速道路などの利用者数計120万人を合算し「二百数十万人」という数字が誕生したそうだ。岡部さんはこう結んだ。
「これで県警の了承も得たと記憶してます。厳密な数字ではないし、かなりの人数がダブっているので甘いことは分かっていますが、まあ祭りですから人出も賑やかな方がよかでしょう?」
しかし「博多駅、博多港、バス、高速道路などの利用者数計120万人」は祭りと関係あるのか?(笑)
そして記者は
1平方メートル6~9人は山手線のラッシュ時でもあまりない混雑ぶり。日本最大の集客施設といわれる東京ディズニーランドとディズニーシーの入園者が年間2750万人であることを考えると「2日間で200万人超」はあまりに多すぎる。とも指摘しており、実際の人出は2日間で100万人前後で2倍近く盛っているのではないか?としています。
220万人の数字の真偽はともかく、とりあえず毎年のどんたく人出発表は「福岡商工会議所担当者のフィーリングで決まる」ことが分かっただけでも非常に有意義。
40年前にどんたくの人出を算出したという太宰府市・岡部さんの「まあ祭りですから人出も賑やかな方がよかでしょう?」というのはおっしゃる通りですが、これを根拠に「GWに日本で一番人が集まるのがどんたくタイ!」とか言っちゃうと(同時期にフラワーフェスティバルをやっている広島市など)近隣県に悪いので自重しましょう。